長野光と関瑶子のビデオクリエイター・ユニットが、現代のキーワードを掘り下げるYouTubeチャンネル「Point Alpha」。今回は、従来の肥満症治療の課題とGLP-1受容体作動薬の効果や副作用、対象患者、施設要件などについて、千葉大学予防医学センター教授の小野啓氏に話を聞いた。 ※主な発言を抜粋・編集してあります。
従来治療の課題は「副作用」や「低い減量率」
——従来の肥満症治療の課題について教えてください。
「セマグルチドやチルゼパチドが登場する以前は、マジンドール(商品名:サノレックス)が日本で唯一使用可能な肥満症治療薬でした。食欲抑制薬ではありますが、覚醒剤と類似した作用がある可能性が当初懸念された経緯から、処方に強い規制がかけられています」
「また、薬の成分に対して耐性がついてしまうため、服用初期の頃はよく効くものの、徐々に効果が弱くなるという課題がありました。これらの理由から、マジンドールは現時点では広く普及しているとは言い難い現状です」
「薬物治療以外の一般的な治療法として、食事療法、運動療法、行動療法があります。これらの治療による減量率は平均7%と決して高いものではありません1」
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