林芳正官房長官が所属していた旧岸田派の議員らも続々と総裁選の前倒しに賛同し始めた[記者会見する林官房長官=2025年9月3日](C)時事

まさかの続投宣言

麻生太郎「今回の参院選挙はいわゆる与党47、野党78という形であって、まさに惨敗と言えるものであったことは明らかです」(9月3日・横浜)

 自民党最高顧問で石破茂総理に距離を置く麻生太郎元総理は、自身が率いる自民党唯一の派閥・麻生派の夏季研修会の演壇に立っていた。グレーのスーツにチャコールグレーのネクタイというシックな装いで臨んだ麻生だが、その表情は一貫して硬かった。

 研修会の前日、自民党は両院議員総会を開いて参院選の敗北についての総括をまとめた。党総裁として石破は「参院選の責任は自分にある」ことを認めたが、焦点である自らの進退については具体的に明示しなかった。

 自民党総裁選の前倒しを求める署名の提出期限である9月8日が迫る中、麻生が前倒し支持を明言するかどうかに注目が集まった。

麻生「私自身につきましては、総裁選挙の前倒しを要求する書面に署名、そして提出をすると決めております」

 多くの自民党議員は、この発言によって総裁選の号砲が鳴ったと受け止めたのではないか。

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