公約として「現金給付」を掲げるも、参院選は自民党の大敗に終わった[投開票の翌日、会見に臨んだ石破茂首相=2025年7月21日](C)新潮社
現金給付を掲げて大敗した自民党
2025年7月の参議院選挙では、現金給付と減税のどちらが望ましいかが、最も大きな争点の一つになっていた。現金給付を掲げた自民党が大敗して、減税を掲げた国民民主党と参政党が大幅に議席を伸ばしたので、国民は減税の方をより支持した可能性がある。
実際、様々な世論調査で、減税に賛成する意見の方が圧倒的に多かった。現金給付は、一時的なものと考えられていたり、バラマキというようなマイナスのイメージを抱かれていたり、選挙向けのパフォーマンスと見られたりしていて、評判が良くないのである。
だが、今回の自民党案がいいかどうかは別にして、一般的に現金給付、特に「現金一律給付」は、景気を回復させるうえでも、窮乏した国民生活を支えるうえでも、優れた手段になり得る。
4万円の定額減税と現金給付のどちらが望ましいか
岸田政権は2024年に、4万円の定額減税を実施した。ただし、子供などの扶養家族がいる納税者には、一人につき減税額は4万円加算される。税額が4万円に至らない納税者については、差額が給付される。住民税非課税世帯については、1世帯あたり7万円給付され、子供1人につき5万円加算される。
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