ギグワーカーの多くは公共サービスや福利厚生の利用が難しい[休憩をとる中国・上海の配達ドライバー=2025年4月28日](C)EPA=時事
インドネシアの首都ジャカルタを起点に8月末から9月上旬にかけて広がった大規模デモは、デモ隊と警察の衝突の中で警察車両がバイクタクシーの運転手をはねて死亡させたことが激化の一因だったとされます。現地で「オジェック」と呼ばれてきたバイクタクシーは近年、フードデリバリーや宅配などにも利用できる配車アプリサービスが大きな割合を占めています。そこでの労働者、いわゆるギグワーカー(インターネット上のプラットフォームを介して、単発・短期の仕事を請け負って働く人)の待遇改善は、抗議自体の中心的な要求でもありました。ギグワーカーの最低賃金水準や社会保障拡充、アプリ運営企業への規制を求める声が上がったのです。
ギグワーカーのデモやストライキは世界各地で頻発しています。今年4月にはブラジルの60以上の都市でデモが行われましたし、6月にはインドのラジャスタン州で約2万5000名のストライキがありました。昨年2月のバレンタインデーには、アメリカとイギリスでもストとデモがありました。
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