過去20年間でコアラの数は半減している (C)REUTERS/Daniel Munoz

[シドニー発/ロイター]クラミジアは細菌の一種であり、これへの感染は野生のコアラの死因の半分近くを占めている。人間もクラミジアに感染するが、コアラを苦しめているのは主に別の種のクラミジアだ。

「一部の個体群は、日を追うごとに局所的な絶滅に近づいている」とサンシャイン・コースト大学の微生物学者ピーター・ティムズ氏は述べた。

 ティムズ氏のチームは、10年以上かけ、一回の投与で済む単回投与ワクチンを開発した。

 クラミジアは、交尾などの直接的な接触や、出産時の母子間の接触で感染する。感染したコアラは不妊や失明に加え、重度の尿路感染症にかかることがある。その場合、脱水症状がひどいあまり木に登れず、食物を得られなくなることもある。

 ティムズ氏によると、クイーンズランド州やニューサウスウェールズ州の一部個体群では感染率がしばしば50%前後に達し、時には70%にも達することもある。

 ワクチンは、繁殖期のコアラがクラミジアの症状を発症する可能性を減らし、野生個体の死亡率を少なくとも65%下げることが期待される。

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