9月末の崔善姫外相の訪中が何を意味するのか、注目される[握手を交わす北朝鮮の崔外相(左)と中国の李強首相=朝鮮中央通信(KCNA)が2025年9月30日に公開=日付不明、北京・人民大会堂](C)AFP=時事

 金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の動静報道はなく、10月10日の朝鮮労働党創建80周年を祝う論説記事が連日掲載される1週間であった。

 例えば9月29日付の第1面に掲載された論説は、「母の誕生日」と題された。人民に生命と魂を与えて育ててくれた「母なる党」の恩に報いるためには、一日一日を無駄に過ごしてはならず、その誕生日(創建記念日)を慶事として迎えるべく「子としての道理と知性を尽くしていこう」と情緒的に訴えるものであった。

 母の誕生日に捧げる贈物としては、平壌(ピョンヤン)和盛(ファソン)地区の開発や新義州(シニジュ)温室総合農場などが挙げられた。他の記事では、平壌総合病院や既にオープンした元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区に対する言及も多く見られる。

 10月10日当日には閲兵式(軍事パレード)の開催が確実視されており、外国からの来賓として誰が並ぶかも注目される。3日付第1面下段では、ラオス人民革命党中央執行委員会書記長・ラオス人民民主共和国主席のトンルン・シースリット氏が金正恩の招請によって訪朝することが報じられた。同国の最高指導者が訪朝するのは2011年9月以来である。『労働新聞』はまだ報じていないが、中ロやベトナムなどからもハイレベル訪朝が見込まれている。

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