Weekly北朝鮮『労働新聞』
Weekly北朝鮮『労働新聞』 (136)

10月10日「朝鮮労働党創建80周年」軍事パレードは外国からの来賓に注目(2025年9月28日~10月4日)

執筆者:礒﨑敦仁 2025年10月6日
タグ: 北朝鮮 中国
エリア: アジア
9月末の崔善姫外相の訪中が何を意味するのか、注目される[握手を交わす北朝鮮の崔外相(左)と中国の李強首相=朝鮮中央通信(KCNA)が2025年9月30日に公開=日付不明、北京・人民大会堂](C)AFP=時事
朝鮮労働党が創建80周年を迎える10日は、軍事パレードの開催が確実視される。ラオスのトンルン・シースリット主席が金正恩の招請で訪朝することがすでに報じられている他、中ロなどからの来賓も見込まれる。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

 金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の動静報道はなく、10月10日の朝鮮労働党創建80周年を祝う論説記事が連日掲載される1週間であった。

 例えば9月29日付の第1面に掲載された論説は、「母の誕生日」と題された。人民に生命と魂を与えて育ててくれた「母なる党」の恩に報いるためには、一日一日を無駄に過ごしてはならず、その誕生日(創建記念日)を慶事として迎えるべく「子としての道理と知性を尽くしていこう」と情緒的に訴えるものであった。

 母の誕生日に捧げる贈物としては、平壌(ピョンヤン)和盛(ファソン)地区の開発や新義州(シニジュ)温室総合農場などが挙げられた。他の記事では、平壌総合病院や既にオープンした元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区に対する言及も多く見られる。

 10月10日当日には閲兵式(軍事パレード)の開催が確実視されており、外国からの来賓として誰が並ぶかも注目される。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治外交。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、『北朝鮮を読み解く』(時事通信社)、共著・編著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)、『北朝鮮を解剖する』(慶應義塾大学出版会)など。
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