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[東京発/ロイター]川崎重工は5月に東京で開かれた防衛関連展示会の場で、このプロジェクトに関する覚書(MOU)に署名したという。いずれの関係者も匿名を条件に取材に応じた。

 これについて川崎重工はコメントを控えている。タウルスを製造する欧州防衛企業MBDAの広報担当者も、「現時点ではこの件についてコメントできない」と述べた。

巡航ミサイル「タウルス」[ドイツ・ミュンヘン近郊のMBDA本社](C)REUTERS/Angelika Warmuth

武器輸出規制の例外

 この空中発射巡航ミサイルは、フリードリヒ・メルツ独首相がロシアの侵攻に抵抗するウクライナへの供与を示唆したことで、ドイツ国内で激しい議論を呼び起こした。

 ロシア政府は、もしドイツがタウルスをウクライナに供与すれば、これをドイツの直接的な戦争関与と見なすと警告している。これに日本企業が加わることは、紛争当事国への武器移転を禁じる日本政府の規制により、事態をさらに複雑にしかねない。

 しかし日本は近年、防衛産業の強化を図る中で武器輸出規制にいくつかの例外を設けてきた。共同開発の枠組みは、こうした規制をより柔軟に運用する余地を与える可能性がある。

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