2022年の国際学習到達度調査(PISA)で、ドイツの15歳の子どもたちの読解力や数学力、科学力が過去最低を記録した[多言語主義と多様性に焦点を当てた「全国朗読の日」のイベントで小学生に読み聞かせをするトールステン・フライ連邦首相府長官(左端)=2025年11月21日、ドイツ・ベルリン](C)EPA=時事

 ドイツは外国からの働き手なしに経済を回すのが難しくなっており、近年ではEU(欧州連合)諸国だけでなく、中東やウクライナからそれぞれ100万人以上の難民を受け入れ、移民は増えつづけている。

 ドイツ連邦統計局によると、ドイツ国籍を持たない在住者は、2023年末時点で全体の15.2 %に及ぶ。ドイツ国籍を持つ移民1世・2世を含めると、移民的背景のある人は全体の約30%になる。その割合は低年齢になるほど高くなり、2024年のマイクロセンサス(小規模国勢調査)によると一般及び職業学校に通う児童・生徒では42.2%にもなった。都市部ではさらに高く、たとえば首都ベルリンでは55%の児童やティーンネイジャーが移民的背景を持ち、特に移民が多いノイケルン地区では70%以上にもなるという。
ドイツの子どもは、6歳から18歳くらいまで学校に通うことが義務となっており、親は子どもを学校に通わせる責任がある。滞在許可申請中でも3カ月以上滞在する場合は学校に通う必要があり、2024年時点で全国の子どもの25%、移民的背景のある子どもの70%が家庭でドイツ語以外の言語を話している。

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