高市総理は閣僚人事や重要政策についてはトップダウンで自ら決断してきた[2025年度補正予算が成立し、自民党議員に拍手で迎えられる高市総理=2025年12月16日](C)時事

税調を押し切り「年収の壁」で譲歩

 それは急転直下の決着だった。

高市「私自らが、強い経済を構築する観点から、所得を増やして消費マインドを改善して事業収益が上がる、そういった好循環を実現するために最終的な判断を下した」

 国会内の自民党の会議室で高市早苗総理は、国民民主党が求める「年収の壁」の見直しについて、自らがトップダウンで決定を下したことを明かした。

 高市が国民民主党の玉木雄一郎代表との党首会談に臨んだのは、今月18日の夕方のことだった。それまで実務者レベルでの協議では、所得税がかかり始める金額を年178万円まで引き上げること自体は合意したものの、一定以上の年収がある国民はその対象外とされ、中間層まで幅広く対象とすることを求める国民民主と、財源の問題から拡大に慎重な自民党とで着地点が見つからなかった。自民党関係者はこう語る。

「午後の早い段階までは(合意に達するのは)とても無理だった。しかし高市さんが一気に押し切った」

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