世論調査ではネタニヤフ首相率いる強硬右派リクードが第1党となると予想されている[イスラエル議会(クネセト)本会議に出席したネタニヤフ首相=2025年12月8日、エルサレム](C)EPA=時事

 ユダヤ年を暦とするイスラエルでは、ヨーロッパのようにシルベスター(大晦日)を祝うこともなければ、1月1日の花火のようなものもなく、ごく普通の月として1月を迎える。世界標準となっているグレゴリオ暦の2026年はユダヤ暦5786年と5787年にあたり、イスラエル建国から78年目の年を迎える。

 イスラエルは特に2022年末に史上最右派政権が誕生して以来、社会の分断が極まっている。国家と国民の間の暗黙の社会契約であったはずの「人質解放」すら政治問題化し、ハマスから解放された元人質がその状況に愕然としたという話が出てくる。その分断の中で迎える2026年は、ハマスとの停戦、ガザ地区の復興、イスラエルの総選挙、そしてベンヤミン・ネタニヤフ首相の汚職等をめぐる裁判と多くの課題を抱え、大きな分水嶺となるだろう。

汚職裁判の公判中に総選挙の見込み

 イスラエルは建国以来、「中東唯一の民主主義」をうたい、概ね、民主主義的な価値観を重視し、それが欧米や日本との関係強化の土台となってきた。民主的な選挙が定期的に行われ、占領下のパレスチナ人に対する二重構造によって「アパルヘイト」と批判される部分もあるが、弁護士や人権団体が裁判を通じてパレスチナ人の法的利益を訴えることは可能で、裁判所も必ずしも常にパレスチナ人に不利益な判断を下してきたわけではない。

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