アメリカは中国との関係を安定化させ、レアアースの供給を安定させることが最優先課題となった[韓国で開催された米中首脳会談を伝えるショッピングモールのスクリーン=2025年10月30日、中国・北京](C)AFP=時事

 2025年は「地経学元年」と言える年であった。1月にトランプ政権が発足して以来、中国をはじめとする戦略的競争相手だけでなく、同盟国に対しても「相互関税」と呼ばれる、一方的な関税をかけることを宣言した。多くの国は、トランプ政権との交渉を通じて関税の引き下げの見返りとして、巨額の投資を約束させられ、また、内政干渉ともいえる条件を受け入れざるを得なくなった。第二次大戦後、関税を引き下げ、貿易を活発化させることで経済発展を目指す自由貿易秩序から大きく逸脱する形で経済を「武器化」し、他国に影響力を行使し、新たな国際秩序を作り出す、「地経学時代」が始まったのである。

 しかし、トランプ関税に対抗措置を取ったのが中国である。レアアースの輸出管理を強化し、その供給を絞ることで、多くの国に中国に依存していることを自覚させた。特にアメリカはレアアースが調達できなくなることで、戦闘機などの兵器の生産にも影響する状況となった。そのため、トランプ政権は、2025年の国家安全保障戦略で、中国に対して経済的な依存を続けることは、国家安全保障上の問題であることを明らかにし、サプライチェーンの多元化を通じた、安定したレアアースなどの供給を確保することが急務であるとの認識を示した。

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