イスラエル映画へのボイコットはアメリカだけでなく欧州にも広がる[昨年のヴェネツィア国際映画祭でのガザ侵攻を非難するインスタレーション=2025年8月30日、伊・ヴェネツィア](C)AFP=時事

 2023年10月のハマスの大規模テロ攻撃はイスラエル社会に大きな衝撃を与えた。イスラエル人は左右を問わず、ホロコーストの惨禍を否応なしに想起させられ、世論はガザ地区への全面攻撃に大きな勢いを与えた。

 その後もイスラエルの攻撃によってガザ地区で建物の8割が破壊され、地区内の一部では中東初となる飢饉が報告されるという深刻な人道危機に陥っている。だが、世論の大半はイスラエルの攻撃が正当化されるという意見が大勢を占め、ガザの人たちに少しでもシンパシーを示せば、ハマスの擁護者と糾弾された。

 イスラエルを代表するニュースアンカーであるチャンネル12のヨニット・レビ氏が去年、ガザ地区の状況について、「これはPRの問題ではなく、道徳的失敗だ」とコメントしたことがある。レビ氏はイスラエルの典型的な中道で、自身がホストするポッドキャスト「Unholy」でも、基本的にネタニヤフ政権には厳しいスタンスではあるものの、パレスチナとの和平については積極的には言及しない。しかし、上記のコメントでイスラエル側の失敗という見方を示した途端、「ハマスを擁護するのか」と批判が広がった。イスラエル社会はそれだけ、イスラエル側の責任を追及されることを恐れている。

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