多くの先進国で政策不確実性が高まる中では、「動かない」ことはリスクでもある[トランプ大統領(中央)とラトニック商務長官(右)は対米投資プロジェクトに関心を示した企業を招きイベントを開催。左は東芝の島田太郎社長=2025年10月28日、東京](C)AFP=時事

 

関税率15%と引き換えの対米5500億ドル投資

 いわゆる「トランプ関税」の引き下げを求めた日米交渉は、米国が相互関税と自動車関税をともに15%に引き下げることで2025年7月に合意に至った。15%という関税率は日本企業にとっては厳しい水準だが、欧州連合(EU)や韓国と同率で、米国と合意に至った対米貿易黒字国の中で最低水準であり、これ以上を望むのは難しかっただろう。

 これと引き換えの形で、日本はドナルド・トランプ米大統領の任期に合わせ、2029年1月19日までに総額5500億ドルの対米投資を約束した。日米政府間の「戦略的投資に関する了解覚書」によれば、投資対象となる案件は、日米双方が参加する協議委員会(Consultation Committee)での協議を経て、米商務長官が議長を務める投資委員会(Investment Committee)の推薦に基づき、米大統領が選定する。日本は、これに投資しないとの選択をすることもできるが、その場合は米国が対日関税率を引き上げることができることになっている。

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