「儲かる」アメリカ:高コストと不確実性の国で稼ぐ戦略
「儲かる」アメリカ:高コストと不確実性の国で稼ぐ戦略 (1)

米国は依然「稼げる」市場、しかし日本企業には必須の視点も

執筆者:菅原淳一 2026年1月19日
エリア: 北米
多くの先進国で政策不確実性が高まる中では、「動かない」ことはリスクでもある[トランプ大統領(中央)とラトニック商務長官(右)は対米投資プロジェクトに関心を示した企業を招きイベントを開催。左は東芝の島田太郎社長=2025年10月28日、東京](C)AFP=時事
5500億ドルの対米投資を、日本企業は成長戦略に組み込めるか。労働コストの高さやトランプ政権の不確実性などリスクの指摘も可能だが、一方でサプライチェーンの強靭化や新技術開発など、米国と“繋がる”ことのメリットは大きい。この高コストと不確実性の国で稼ぐには、リスク対応を自社の競争力に組み替える経営戦略が問われるだろう。官民のルール形成に強みを持つ「オウルズコンサルティンググループ」が、米国市場の規制制度と特異性を読み解きながら「儲かる」対米投資のあり方を分析する。

 

関税率15%と引き換えの対米5500億ドル投資

 いわゆる「トランプ関税」の引き下げを求めた日米交渉は、米国が相互関税と自動車関税をともに15%に引き下げることで2025年7月に合意に至った。15%という関税率は日本企業にとっては厳しい水準だが、欧州連合(EU)や韓国と同率で、米国と合意に至った対米貿易黒字国の中で最低水準であり、これ以上を望むのは難しかっただろう。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
菅原淳一(すがわらじゅんいち) 株式会社オウルズコンサルティンググループ シニアフェロー。経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部専門調査員、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社主席研究員等を経て、現職。通商政策や経済安全保障に関する政策分析に長年従事。共著に、『ビジネスと地政学・経済安全保障ビジネス』(日経BP)、『変質するグローバル化と世界経済秩序の行方』(文眞堂)、『アジア太平洋の新通商秩序』(勁草書房)などがある。
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