台湾問題は日清戦争に始まる歴史の「怨念」と結びつきかねない(C)EPA=時事

 本年は米国によるベネズエラ攻撃と国家元首の拉致で幕を開け、グリーンランドの領有への動きとなり、「ドンロー主義」の年になるのかと思っていると、相変わらずイランにも手を出そうとしている。ドナルド・トランプ大統領の直感と本能に導かれる米国の行動からは混乱と混迷が残るだけであり、未来への安定した世界の展望は全く開けない。

 東アジアに目を転じれば、中国の急速な台頭を前に、そのトランプ大統領の米国が決定的に重要な役割を果たす構造に変わりはない。東アジアも大変な混迷期に入ったのである。その要が台湾問題である。ここに焦点を当てて、米中関係、日中関係、そして日本の大きな戦略について述べてみたい。

 その基本となる立ち位置は、日本の平和と繁栄を担保するための「大戦略」は、長期的な広い視野からの判断に基づかなければならないという点である。前提となるのは中国との安定した政治関係と、それを可能にする強靱で持続的な政治対話である。筆者は、それは可能だと判断している。中国を敵と見なして押さえ込みに邁進すれば、結局、そういう中国を作りだす。中国を冷静かつ客観的に観察し、われわれに有利な方向に誘導するくらいの気概を持ちたいものである。

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