分配政策を譲らない「SPD」というドイツ経済の足枷
2026年1月29日
副首相と財務相のポストを得てSPDは強気な姿勢を崩さない。(左から)CSU党首のマルクス・ゼーダー氏、フリードリヒ・メルツ首相、ベーベル・バス労働相(SPD)、ラース・クリングバイル副首相兼財務相(SPD)[連立委員会後に開かれた記者会見=2025年12月11日、ドイツ・ベルリン](C)AFP=時事
ドイツで昨年5月に就任したフリードリヒ・メルツ首相は、中道右派の名門政党、キリスト教民主同盟(CDU)の党首である。メルツ首相が率いる政権は、CDUの姉妹政党であるバイエルンの中道右派、キリスト教社会同盟(CSU)と、オラフ・ショルツ前首相の出身母体である中道左派の名門政党、社会民主党(SPD)の連立だ。
要するに、典型的な保革大連立政権である。ライバル関係にあるCDU/CSUとSPDは、しばしば大連立政権を組むことがある。政権運営の安定性を重視するためだが、中道とはいえ右派と左派だ。本質的には交わらない水と油であるため、大連立政権の時期は政策停滞に陥りがちとなる。メルツ政権もまた“空転”しており、政策停滞に陥っている。
直近では、相続税改革を巡って、与党内で対立が生じている。1月13日に発表された相続税の改革案の概要によると、SPDは、相続人1人当たり約100万ユーロの生涯非課税枠を設けたいようだ。また特定の親族から住居を相続した場合、その住居に住み続ける限り、相続人は相続税を免除される。要するに、庶民向けの減税である。
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