澎湖諸島と台南を結ぶ海底ケーブルを切断した「宏泰58号」。拿捕時には「宏泰168号」を称していた。船名表示を変えられるようになっているのがわかる(本文中の「宏泰168号」の写真も参照)[2025年8月28日、台湾・台南市](C)REUTERS/Ann Wang
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 バルト海と台湾周辺で海底ケーブルが意図的に切断されたと見られる事案が増えている。しかし、その意図は必ずしもはっきりせず、明確に処罰することも難しい。いわゆるグレーゾーン事態である。

 多くの海底ケーブル切断事案は排他的経済水域(EEZ)で起こっている。沿岸国の領海内で起こればそれぞれの国の沿岸警備隊が切断した船を拿捕し、船長などを訴追することができる。しかし、国際法においては、公海やEEZで海底ケーブルの切断が起こった場合、それを処罰できるのはその船が登録されている国の政府である。

 意図的と見られる海底ケーブル切断にこれまで関わって来た貨物船やタンカーの多くは、いわゆる便宜置籍船で、パナマ、キューバ、クック諸島などで登録されている。船の本当のオーナーは別の国におり、責任を果たそうとしない場合が多い。国際法の抜け穴を使って海底ケーブルを切断させていると見られる。

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