強い立場からの交渉を好むトランプにとって、「取引」にはレバレッジが必要になる[ウクライナ和平をめぐるプーチン露大統領と米特使の会談を前に。左からウィトコフ米中東担当特使、ユーリ・ウシャコフ露大統領補佐官(外交担当)、キリル・ドミトリエフ露大統領当別代表、トランプ米大統領の娘婿クシュナー氏=2026年1月22日、ロシア・モスクワ](C)Alexander KAZAKOV / POOL / AFP=時事

 2025年末から2026年頭にかけて、我々はまたもやアメリカに驚かされた。12月5日に『国家安全保障戦略』(NSS 2025)が公表され、そこでは西半球重視の姿勢が「モンロー・ドクトリンのトランプ・コロラリー」という形で明示された1。そして年が明けた1月3日の未明、NSS 2025で示された方針が、早速軍事作戦として実施されたのである。ベネズエラに対して米軍が実行した「アブソリュート・リゾルブ作戦(Operation Absolute Resolve)2」はこの上ない成功に終わり、ニコラス・マドゥロ大統領夫妻の身柄を拘束したことは、新年の衝撃であった。

 こうした新たな「驚き」が登場する一方で、継続している問題もある。そのうちの1つが、2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻に端を発する「戦争」だ。両国間では、継続して烈度の高い戦闘が続いており、いまだ「終わり」の見通しは立っていない。今月末で、開戦から丸4年の月日が経過することとなる。

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