米国の熱延鋼板市況はアジアの1.5倍〜2倍の水準が維持されている[USスチールの工場を視察したトランプ大統領=2025年5月30日、アメリカ・ペンシルベニア州ウェストミフリン](C)AFP=時事

 2026年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)において、カナダのマーク・カーニー首相は「大国の要求に従うことなく、ミドルパワーが結束を」と訴えた。事実、東南アジアや南米各国によるCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への新規加盟申請や、EU(欧州連合)とインドのFTA(包括的・先進的自由貿易協定)合意など、「米国抜きの貿易圏」構築は着実に進展している。

 トランプ政権による高圧的な要求や、経済合理性を超えた恣意的な関税政策など、予見可能性の極めて低いリスクに直面しながらも、なぜ産業界は「米国依存」を本気で解消してこなかったのか。それは、多くのビジネスにとって、米国が「抜き」では立ち行かないほど圧倒的に魅力的な、そして「儲かる」市場だったからに他ならない。世界のGDP(国内総生産)の4分の1を占める「規模」もさることながら、特筆すべきは「利益の質」の特異性である。

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