第5部 再起する日常(5) 西部からの経済再建
2026年2月25日
毎朝9時、リヴィウの市民はサイレンの合図とともに全員1分間の黙祷を捧げる(筆者撮影)
全土が戦時下にあるとはいえ、日本の1.6倍にあたる広大な面積を持つウクライナでは、地方によって置かれた状況も、抱える課題も異なる。前線に近く日々攻撃にさらされる北東部ハルキウや東部のドネツク州、ミサイルやドローンに狙われがちな首都キーウや南部オデッサなどに比べ、西部の諸都市は攻撃を受ける頻度が比較的少ない。もちろん「安全」とは言いがたく、時に攻撃の標的となって死者も出るが、一方で主な攻撃拠点のロシア本土からは距離があり、警報やアプリを通じて攻撃に関する情報を把握さえすれば、着弾する前に避難も可能だと考えられている。
ウクライナで普及している警報サービスの発令回数集計によると、2022年2月の全面侵攻から2026年2月24日までで、最も多いハルキウ州には7708回、次のザポリージャ州には7238回の警報が出されていた。オデッサ州は2859回、首都キーウ市内は2050回だが、西部のリヴィウ州は823回、最西端のザカルパッチャ州は712回と、大幅に減る。また、メディアでの爆発報告回数も、ヘルソン州が4573回に達したのに対し、リヴィウ州は112回にとどまった1。
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