「苦境に立たされた統治者」だったハメネイ師は、その死によって「尊厳を守る殉教者」へと再解釈されるかもしれない[2026年3月1日、イラン・テヘラン](C)AFP=時事
米国とイスラエルによるイラン攻撃は、初動で最高指導者のアリ・ハメネイ師が殺害されるという衝撃的な開始となりました。革命防衛隊の司令官や国防大臣など、軍部の主要人物も同時に死亡したと伝えられます。
昨年6月の12日間戦争では、双方とも実際の被害は限定的な攻撃が行われ、いわば「エスカレーションが管理された衝突」の性格がありました。しかし、今回は最初からエスカレーションの頂点に上ってしまった様子があります。つまり、これは双方がメッセージを誇示するための攻撃ではなく、米・イスラエル側の視点に立てば「イランとの力関係を根本的に変える決断」をしたことを意味するでしょう。
問題は、米・イスラエルは具体的には何をどう変えるつもりなのか、それが見えてこないことです。ドナルド・トランプ米大統領は、「攻撃が終わったら、あなたたちの政府を奪い取るのはあなたたち自身だ」との声明を出しました。ハメネイ師の斬首を実行した後に、どのような後継体制を想定しているのか、そしてそれにどこまでコミットする意思があるのか、これについては何も語っていないに等しいと言えます。つまり、出口戦略が見えません。
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