西アフリカのクーデター首謀者たちは政権転覆にあたって、既存のエリート層が旧宗主国フランスと結託して権力と利潤を貪っていると主張した[西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の軍事介入に反対するニジェールのクーデター支持派=2023年8月20日、ニジェール・ニアメー](C)EPA=時事
外務省の知的交流事業で西アフリカ仏語圏のベナン、セネガル、ギニアを訪問した。3カ国それぞれの大学等で計5回の講演を行い、加えて現地シンクタンク・研究機関での意見交換会、外交官・国際機関高官との各種会合、メディア対応などを行う充実した内容であった。
私自身は、紛争分析や国際平和活動への関心の観点から、過去に何度も西アフリカ諸国を訪れてきている。ただ私が研究者になってからの25年ほどの間だけでも、この地域の様子はだいぶ変わった。
ロシアや中国の影響力の浸透といった外部から見た切り口で参照される場合を除いて、西アフリカに関するニュースが日本で取り上げられる機会は、基本的には非常に少ない。議論の基盤となる、共有できる情報さえ乏しいのが実情だろう。
本稿では、その間隙をわずかでも埋めるために、国際社会の全体動向の観点をふまえながら、訪問先3カ国を中心に、西アフリカ情勢の現状を取り上げてみたい。そこで注目したいのは、イスラム主義勢力の暴力的活動の高まり、非欧米の大国の影響力の高まり、そして欧米諸国(西アフリカ仏語圏諸国の場合は特にフランス)の影響力の減退だ。
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