1970年代型スタグフレーションの懸念も高まってきた[アメリカ・ロサンゼルス](C)AFP=時事
「3つのM」と原油ショックの連鎖がもたらす打撃
「資源リスクが軍事的な成果の価値を上回り始め、紛争の結末は“3つのM”に左右される」――JPモルガンのストラテジスト、ファビオ・バッシ氏は、2月28日に開始した米・イスラエルのイラン攻撃についてこう指摘した。3つのMとは、市場(Markets)、弾薬(Munitions)、そして中間選挙(Midterms)である。
ドナルド・トランプ大統領は3月2日、イランへの軍事作戦について4~5週間、長期化にも対応可能」と述べたが、バッシ氏は長期戦に明確な制約があるとみる。
まず市場だが、「TACO:Trump Always Chickens Out(トランプ氏はいつも日和る)」の言葉に象徴されるように、これまでも株安や金利上昇に反応して強硬姿勢を緩めてきた。今回、そこに原油高が加わった格好だ。WTI原油先物が一時119ドルと2022年6月以来の高値をつけた直後、S&P500は2025年11月以来の安値をつけ、米10年債利回りも約1カ月ぶりに4.2%へ上昇。原油発の市場の緊張に反応したのか、トランプ氏はイラン軍事作戦の「終結が近い(very soon)」と発言した。停戦の兆しが見えない中での発言だっただけに、「TACOの再来」と受け止められたのも無理はない。
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