「モザイク防衛」の体制により、革命防衛隊は指導部への斬首作戦を受けても地域ごとに抵抗を継続できる[2026年3月9日、イラン・テヘラン](C)AFP=時事

 3月4日付の拙稿「[イラン戦争はどこまで続くか 1]米・イスラエル・イランの「制約条件」から見たシナリオ」では、米国は時間・弾薬・政治の制約から短期で出口を探す可能性が高く、イスラエルとイランにはそれぞれ長期戦の誘因があるものの、最終的には米・イスラエルの迎撃能力とイランの長距離攻撃能力の制約が、戦争終結のトリガーになり得ると論じた。あの時点での「弾薬の残数レース」は妥当な見立てだと考えているが、3月10日以後の展開は、その前提の修正を迫っている。

戦況の変化――戦争の重心は軍事施設から経済中枢へ

 象徴的なのは、これまで長距離戦に終始してきた米国の選択肢に地上要素が入り始めたことである。3月8日、米メディアはトランプ政権がイラン国内の高濃縮ウラン確保のため特殊部隊投入を検討していると伝えた。翌9日、トランプ自身は「まだ決断には程遠い」と述べたが、地上投入が議論の俎上に載ったこと自体は否定していない。さらに13日にイランの原油輸出の9割を処理するハールグ島を大規模攻撃する直前には、米海軍強襲揚陸艦トリポリと第31海兵遠征部隊(31st MEU)の中東派遣が報じられた。米当局者への取材に基づく報道によると、約2500人規模の増派は直ちに地上作戦を意味しないが、地域への大きな軍事的追加であるとされる。ただし、部隊はなおイラン近海まで1週間超を要する位置にあるという。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。