ホルムズ海峡封鎖で露呈、原油備蓄だけでは語れぬ「21世紀の油断」
2026年3月21日
アジア各国の化学メーカーはナフサの目詰まりから減産に追い込まれた[エチレンなどを生産する三菱ケミカルの茨城事業所=2025年12月、茨城県神栖市](C)時事
好事魔多し。実質の手取り(可処分所得)が1月以降ようやく浮上し、経済が好循環に入りかけた矢先に、イランをめぐる武力衝突が勃発した。原油、ガス輸送の大動脈であるホルムズ海峡が事実上封鎖されたことで、私たちの生活も深刻な試練に直面しつつある。
3月11日、国際エネルギー機関(IEA)は加盟32カ国が原油備蓄の共同放出に踏み切ると発表した。放出量は合計で4億バレル。放出量としては過去最大だが、紛争前にホルムズ海峡を通る原油は日量2000万バレルだったので、その20日分という勘定になる。
高市早苗首相は同日、IEAの決定を待たずに3月16日から日本の原油備蓄を放出すると発表した。ガソリンの店頭価格が1リットル200円を超えかねない事態になったからで、全国平均で170円程度に抑える方針を示した。だが、首相も認めるように「3月下旬以降、日本への原油輸入は大幅に減る」。このままホルムズ海峡の封鎖が続けば、虎の子の備蓄も心もとなくなる。
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