高市首相「ほぼ無傷で乗り切った訪米」の賞味期限

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執筆者:フォーサイト編集部2026年3月22日
危機は切り抜けた。しかし、束の間の成功であることも想定される[2026年3月19日、アメリカ・ワシントンDC](C)時事

 過去数十年で最も重要な意味を持つともされた日米首脳会談が終わりました。海外メディアの受け止めはやはり「日本は危ういところを乗り切った」というものが多いようです。

 トランプ政権が求めるホルムズ海峡での船舶護衛に、欧州は「これはわれわれの戦争でも、われわれが始め⁠た戦争でもない」(ボリス・ピストリウス独国防相)との反応を示しました。ドナルド・トランプ米大統領が同盟国への苛立ちを露わにする中で、訪米した高市氏は困難な要求を突き付けられる可能性がありました。

 米「ニューヨーク・タイムズ」紙は今回の高市首相訪米を、「魅力と自制でトランプの怒りをほぼ回避」と伝えています(詳細、後出)。日本ではその「魅力」が「媚び」かどうかが話題ですが、昨年の「解放の日」の相互関税発表とそれに続く貿易交渉の経緯に鑑みれば、ガツンとかました後で様子を見ながらメリットを引き出すのがトランプ政権流のように思えます。チャーム・オフェンシブ(対外的な魅力攻勢)の重要性を否定するものではありませんが、高市首相の今回の危機回避には、いわば賞味期限がありそうです。本来、局地戦の外交技術でなんとかできる相手ではないとしたうえで、関係を築くべきなのでしょう。

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