アジアの製品流通ネットワークが大きく混乱し始めている[横浜の石油ターミナルで給油するタンクローリー=2026年3月17日](C)AFP=時事
米国・イスラエルとイランとの戦争が開始された2月28日からわずか数日間で、中東産油国からインド洋に通じるホルムズ海峡は初めて「事実上の封鎖」状態に陥った。国際エネルギー機関(IEA)によると、2025年には世界の海上石油輸送の約25%、液化天然ガス(LNG)輸送の約19%がホルムズ海峡を経由して輸送されている。世界の石油ガス供給の大動脈の寸断は、ブレント原油価格を戦争前の1バレル当たり60ドル台から、一時的に120ドル近くまで押し上げることとなった。
原油の中東依存度が90%を超える日本にとって、ホルムズ海峡封鎖はエネルギー安全保障上の最も重大な危機になりうる。日本政府は今回の事態を受け、3月11日に原油高の激変緩和措置の実施とともに、過去最多となる45日分の石油備蓄1を放出する計画を明らかにした。
本稿では、史上初のホルムズ海峡封鎖の原因とプロセスを示したうえで、被害を受ける中東産油国の迂回輸出ルートによる対策の可能性を分析する。そのうえで最後に、ホルムズ海峡封鎖が日本を含むアジアの主要消費国にいかなる影響をもたらすかについて考察する。
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