資源を効率よく世界市場に送り出し続けるには様々な企業の関与が必要になる[野外に並ぶ原油貯蔵タンク=2026年3月17日、アメリカ・テキサス州スタントン](C)AFP=時事

 

対米投資を企業の目線で見る

 3月19日の日米首脳会談を経て、日米の経済関係はあらためて注目を集めた。2025年を通じて、日米間では通商、経済安全保障、サプライチェーンをめぐる協議が重ねられ、対米投資は重要なテーマとして位置づけられてきた。2025年7月の日米間の合意では、対米投資・融資・保証を通じて最大5500億ドル(約87兆円)規模の資金を重点分野に振り向ける構想が打ち出された。

 ここではどうしても、「日本はどこまで負担するのか」「利益は誰に帰属するのか」といった論点に目が向きやすい。もちろん、それ自体は大事な問いだ。ただ、企業の目線で見たとき、より重要なのは別の点にある。個々の案件のなかで日本企業がどの工程に入り、どのくらい長く、どのような形で収益を上げられるのかという点だ。

 これまでに公表された対米投資の案件をみると、その特徴は比較的わかりやすい。対象分野は異なるが、共通しているのは、いずれも米国の成長や産業運営にとって重要性の高い領域に関わっていることだ。電力、重要素材、輸出能力、どれも、将来の成長を支えるうえで欠かしにくい。注目すべきは、個別案件の顔ぶれそのものというより、そうした分野に日本企業がどう関与し、どこに収益機会を見いだせるかという構図だ。

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