イランとの個別交渉がペルシャ湾内に取り残された船舶の脱出に有効でも、物流の正常化にはつながらないと見るべきだ[2026年3月11日、ホルムズ海峡周辺で攻撃を受けたタイの貨物船。タイは同月28日、イランとの交渉で通航保証を取り付けたと発表した](C)AFP=時事/ ROYAL THAI NAVY

 イラン戦争が勃発してから1カ月が経過したが、ホルムズ海峡の実質的な封鎖が解除される見込みは未だに全く立っていない。イランは敵対国の船舶以外の通航を許可するとし、一部の国はイランから通航の許可を得たと発表しているが、既に民間船舶への攻撃を何度も繰り返しているイランの言動をどこまで信用できるかは不明だ。少数の船舶がホルムズ海峡を通航していることも確認されているが、開戦前は1日100隻以上の船舶が通航していたホルムズ海峡の海運は正常化からは程遠いのが現状である。

 イランへの攻撃を仕掛けた側である米国・イスラエルは、断続的な空爆を実施しているものの、海峡の封鎖解除に向けた行動はほとんど取っていない。米国のドナルド・トランプ大統領は、イランを軍事的に壊滅させたと主張しながらも、ホルムズ海峡の安全確保については海峡経由で石油を輸入している国々が責任を持つべきだと繰り返し述べており、封鎖の解除に向けて主体的に関与する姿勢を見せていない。

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