最終的にはトランプは、必要な予算を獲得できるだろう。だが戦争が泥沼化すれば、賛成した政治家たちは選挙で懲罰の憂き目にあう[国民向け演説のために姿を現したトランプ大統領=2026年4月01日、アメリカ・ワシントンDC](C)AFP=時事
イラン戦争は中東の因縁や脆弱なエネルギー安全保障、米国と同盟国の冷たいバトルといった世界の政治・経済の伏流を容赦なく表ざたにした。もう一つ不透明なのが秋の中間選挙、そして2028年大統領選挙という米国内政への影響だ。ポスト・トランプの政治枠組みに向けて動きだしている政界は、泥沼化の瀬戸際にあるこの戦争をどう乗り越えるのだろうか。国防総省の提示とともに始まった巨額なイラン戦費、そして42%増という国防予算要求の攻防は、この戦争の是非とともに、トランプ大統領への不満、そして28年大統領選を目指す有力者たちの闘いの舞台となりそうだ。
「2000億ドル」追加予算は長期の地上戦を想定?
高市早苗首相が無難にこなした3月19日のホワイトハウスでのドナルド・トランプ大統領との会談には、もう一つのドラマがあった。米メディアは、執務室で首相を迎えたトランプに対日政策とは関係ない厳しい質問を浴びせた。イラン戦争の戦費についてである。前日のワシントン・ポスト紙電子版が、政権はイラン戦争に伴う追加予算として2000億ドル(32兆円)を米議会に要求すると特ダネを報じたからだ。この追加予算は予算教書で示された国防費とは別建てだ。米軍の爆撃映像は喝采を浴びがちだが、こうした巨額の税金が使われるとなれば、果たして何のための戦争か、と国民は急に冷淡になる。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。