防空に比較的強い汎用護衛艦をバブ・エル・マンデブ海峡からアデン湾周辺の洋上防空に当たらせるなど、複数のオプションが検討し得る[海上自衛隊のあきづき型護衛艦「あきづき」](C)時事

 2026年2月28日に突如として始まったイラン戦争は、イラン最高指導者アリ・ハメネイ氏や軍幹部の殺害、主要軍事アセットの破壊を含む当初の圧倒的な米国・イスラエル優勢から、イランの非対称戦略による水平的エスカレーションへとフェーズを変えた。その水平的エスカレーションの手段が、ホルムズ海峡や湾岸諸国へのミサイル・ドローンによる攻撃(及びその脅威)である。

 イランの非対称戦略の要諦は、ホルムズ海峡を人質にとることによりエネルギーの安定供給と世界経済を脅かし、軍事的には優位に立つ米国とイスラエルの継戦意思に間接的な揺さぶりをかけるものだ。これにより日本を含む非紛争当事国は大きな経済的影響を受けているが、イランの視点に立つと、これは自国を防衛するために戦争を継続する上でのいわば付随的損害(コラテラル・ダメージ)であり、米国・イスラエルが戦争を継続する限りこの状態は続く。米国とイランは、4月11-12日にパキスタンの仲介を受けて協議を行ったが、依然として両者の隔たりが大きく、停戦の妥結には至っていない。それどころか、米国はホルムズ海峡を東側から海上封鎖する動きを見せており、ホルムズ海峡を民間船舶が自由に通航できる状況にはほど遠い。

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