フーシー派はイランのエスカレーション・ラダーに組み込まれている[イランとレバノンへの連帯を示す集会で武器を掲げるフーシー派支持者=2026年4月10日、イエメン・サナア](C)AFP=時事

 2026年2月28日に米国とイスラエルがイランに対する攻撃を開始すると、イラクの諸武装組織から成る「イラク・イスラーム抵抗」は同日に、レバノンの「ヒズブッラー(ヒズボラ)」は3月2日にイラン側で参戦した。これらのいわゆる「親イラン勢力」が在イラク米軍やイスラエルに対して攻撃を行う中、イエメンの「フーシー派(フーシ派)」は1カ月にわたり参戦せず、事実上の沈黙を貫いていた。しかし3月28日に参戦を宣言すると、同派は4月6日までに計6回の軍事作戦を実施し、ミサイルやUAV(無人航空機)を用いてイスラエル領への攻撃を開始した。

 フーシー派が注目を集めている理由は、イスラエル領への攻撃ではなく、紅海封鎖を行い得る能力を保有しているためである。イランがホルムズ海峡を事実上封鎖する中、サウディアラビアは東西パイプラインを用いた同国西部ヤンブーからの原油輸出代替路に切り替えている。仮に紅海が封鎖された場合、その経済的影響は甚大なものとなることが予想される。そうしたリスクを考えるうえで、フーシー派はイランとどういった関係にある組織なのか、同派はどのような軍事的オプションを保有しているのかといった点を理解する必要があり、本稿は以下でそれらの問いに答えていきたい。

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