2040年の退職年齢は「70歳」、デンマーク社会が出した「長く働く」という答え
2026年4月30日
デンマークは2040年、退職年齢が70歳になる予定だ (C)swisshippo/stock.adobe.com
北欧のデンマークで3月、総選挙が行われた。メッテ・フレデリクセン首相は、自治領グリーンランドをめぐって対立する米国のドナルド・トランプ大統領に対し、毅然とした姿勢を示したことで支持を伸ばし、その勢いを背景に解散に踏み切った。
しかし、ふたを開けてみれば、外交・安全保障は主要政党間で大きな対立軸とならず、争点はもっぱら内政に集中した。結果として、首相率いる社会民主党は第一党の座を維持したものの、得票を大きく減らすこととなった。
こうした中で、特に注目に値するのが、年金制度をめぐる議論だった。焦点となったのは、「人は何歳まで働くべきなのか」という、高齢化が進む先進国に共通する課題である。
制度の持続可能性に高評価
デンマークの年金制度は、国際的にも高く評価されている。年金コンサル大手マーサーによる「グローバル年金指数ランキング」で、デンマークは例年上位にランクインしており、2025年も世界3位でA評価だった1。
高評価の理由の一つが、年金制度の持続可能性だ。公的年金の支給開始年齢は、平均寿命(60歳時点での平均余命)に連動して、自動調整される仕組みとなっている。現在の受給開始年齢は67歳だが、2030年に68歳、2035年に69歳と引き上げられ、2040年には70歳と、EU(欧州連合)でも最高水準に達する。福祉国家を支えるため、高齢であっても働ける人には働いてもらう、という考え方によるものだ。
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