ポーランドをはじめとするヴィシェグラード4カ国との関係改善も課題に[アントニオ・コスタ欧州理事会議長(右)と握手するマジャル次期首相(左)=2026年4月30日、ベルギー・ブリュッセル](C)REUTERS/Yves Herman

 2026年4月12日のハンガリー総選挙では、16年にわたり政権を担ってきたオルバーン・ヴィクトル首相率いる与党フィデスが大敗し、ティサ党による政権交代が実現することになった。

 オルバーン政権は、従来よりEUに対して懐疑的な姿勢を示してきたが、近年は対決姿勢をさらに強め、ウクライナ支援をはじめとして拒否権を頻繁に行使してきた。EUの拒否権をまとめたデータベースによれば、2011年6月以降にEU首脳会議や閣僚級会合で行使された外交に関する拒否権(48回)のうち、約半数はハンガリーによるものとされる1。また、エネルギー分野を中心にロシアとの関係を強めるとともに、中国とも企業進出やインフラ投資を通じた関係を深めてきた。

 ティサ党の勝利を受け、日本や欧米の多くのメディアでは、マジャル新政権発足後のEUやウクライナとの関係改善、さらにはロシアや中国への依存からの脱却に期待する見方が広がっている。対外政策の分野でマジャル新政権はいかなる姿勢ないし政策路線をとるのだろうか。本稿では、マジャル・ペーテルやティサ党幹部の発言、合計240頁にわたる党の綱領、そして海外の研究者による分析などをもとに、ハンガリー新政権が現時点で掲げる外交政策の方針を整理することとしたい。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。