ベトナムを訪問した高市首相(左)はレ・ミン・フン首相(右)と会談し、資源供給協力の枠組み「パワー・アジア」を活用して同国北部ニソン製油所の原油調達を支援することで一致した[2026年5月2日、ベトナム・ハノイ](C)REUTERS/Thinh Nguyen

 2011年の福島第一原発事故以降、日本では火力発電が電力の安定供給を支える主力電源であり続けている。その燃料調達において、インドネシアやマレーシアなどの東南アジア諸国が、石炭や天然ガスの重要な供給先となっている。

 一方、東南アジア各国は、経済成長に伴う電力需要の急増への対応に加え、イラン戦争による燃料不足という新たな課題にも直面している。こうしたエネルギー問題は、日本の発電用燃料の調達に影響するだけでなく、現地に進出する日本企業の操業や、日本向けサプライチェーンにも波及している。

 本稿では、まず日本にとって東南アジアがエネルギー面で重要である理由を整理する。そのうえで、東南アジアの電力需要拡大に対する日本の支援策や、イラン戦争下で日本が進める燃料供給支援を検討する。最後に、日米共同備蓄構想がインド太平洋地域のエネルギー安全保障に持つ意義について展望する。

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