鳩山政権「奇妙な安定」が「社民」「自民」を揺さぶる 二月四日夕、参院決算委員会での答弁を終えて国会内の廊下で記者団に取り囲まれた社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相は少しうろたえた表情をみせた。この日の午後、大相撲の横綱、朝青龍が現役引退を表明したことについて、記者団から唐突にコメントを求められたからだ。「あ、朝青龍? あの……私は強いお相撲さんは大好きです。でも、でも、それは事件としてはとっても残念です」 不意を突かれた福島氏だったが、それでも一生懸命に答えた。記者団は続けてこう尋ねた。「横綱としての責任をとって、潔く引退しましたが……」 あきらかな誘導尋問である。この数時間後には、民主党の小沢一郎幹事長が資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で不起訴処分となることが確実視されていた。しかし、法的には不起訴であっても、石川知裕衆院議員を含む小沢氏の秘書三人が起訴されたのだから、当然、小沢氏自身の政治的、道義的責任を問う声が与党内にも広がっていた。記者団は福島氏の口から、小沢氏の幹事長辞任を要求するようなコメントが飛び出すことを期待したのだ。福島氏はこう答えた。「それはまた、個人個人ですからねえ」

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