北朝鮮の長距離ミサイルの脅威が指摘されている中で、フロッグ系と呼ばれる短距離ミサイルの脅威が急浮上している。フロッグミサイルは、姿勢制御のための誘導機能などが備わっていない初期のミサイルで、「自由ロケット」ともいわれている。「ノドン」「テポドン」などのミサイルは、射程距離が長い分、パトリオットミサイルなどでの迎撃も可能となるが、最大射程距離が約百キロ前後とされるフロッグミサイルは、射程が短すぎるため、迎撃がほとんど不可能だという。軍事筋は、「フロッグ系は旧来型のミサイルで保有数も長距離ミサイルと比べて格段に多い。また、化学兵器弾頭なども装着可能であり、韓国にとっては、最大で最強の脅威となる」と解説する。

 フロッグミサイルが集中的に発射されれば、ソウル市街や金浦空港などの重要施設、対北前方地域に展開する韓国軍、在韓米軍などあらゆる対象は、まったく無防備な標的となってしまうという。先の軍事筋は「韓国政府が対北宥和政策を推進するのも、こうした現実的な脅威があるからだ」と指摘している。また、「在韓米軍が、対北先制攻撃を選択することも非現実的な話ではない」(別の軍事筋)との見方もある。

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