日本の総選挙は世界の注目を集めたことは集めたが、やはり、最も関心を呼んだのは韓国と北朝鮮の南北首脳会談だった。

「金正日委員長の歓迎ともてなしは、期待した以上だった。彼は平壌の飛行場までみずから私を迎えに来てくれたし、帰りも見送ってくれた。百万の人々が街頭で私を歓迎してくれた。これは、平壌で史上最大の人出だったと聞かされた。私にとっては、これは、一つの民族の家族のメンバーとしての愛情の表現だった」というのが、歴史的な南北首脳会談を終えて帰国した金大中大統領の感想であった(“Koreans Are One People and Will Fight No More,”『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン(IHT)』、六月二十日)。

 テレビを通して南北首脳会談の一部始終を見ていた韓国の人々の多くも、金大中大統領と同様の感想をもったに違いない。

『ニューヨーク・タイムズ』の社説も、南北首脳会談が朝鮮半島の緊張に終止符を打ったわけではないにしても、「半世紀にわたる敵意を克服する第一歩」となったと評価し、「南北対談は、驚くほど和やかな雰囲気で行われ、水曜日の共同宣言も、あいまいな表現ではあるが、この一回目の会談から現実的に期待できるものはすべて盛り込まれていた」と分析している。さらに、今回合意された離散家族の再会などが、予定通り進むことになれば「より困難な政治や安全保障の問題を取り扱うことも可能になろう」と期待を示している(“The Koreans Meet,”IHT、六月十六日)。

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