先の衆院選で、与党三党は絶対安定多数を確保したが、自民党は都市部を中心に過去最大の議席減となった。この結果を受けて、自公保路線、政策など党の先行きに危機感を抱いた自民党の若手議員が、七月五日、「自民党の明日を創る会」を旗揚げした。党運営の抜本的な見直し等を求める方針だが、「今度の選挙は負けるためにやって予定通り負けた。国民に負担を強いる増税を言っていないのに負けた意味は大きい。結果について徹底的に議論すべきなのに、総括をしないのは、執行部は結果にも今後にも全く自信がないからです。組織が滅びる時はこういうものかと中にいて感じますが、我々が発言していかないと」と語るのは、この会の会長に選ばれた石原伸晃衆議院議員である。 石原氏は一九五七年生まれ。慶応大学文学部卒業後、日本テレビに入社し、政治部で大蔵省や外務省を担当し、平成元年に退職。翌年の衆院選で初当選をはたした。石原慎太郎都知事の長男であるのはご承知の通りだが、「父には後を継がせたいという気持ちは全くなかった」そうだし、氏自身、「二世のお決まりのコース」に反発して、父の議員秘書を務めることはしなかった。「石原慎太郎の息子ということは、幼稚園の頃から言われてきたから何とも思わないし、プレッシャーも感じない。裕次郎も慎太郎もスーパースター。事実を気にしてたら生きてこれないですよ」という氏は、石原都知事の良きアドバイザーでもあるが、「何を言うかとびくびくしてます」と笑う。

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