参議院選挙での自民党の大勝は、世界的にも注目を集めた。前号でも指摘したように、小泉首相への注目が際立っているからである。困難な課題は認識しつつも小泉首相への見方がそれなりに好意的なのに対し、平和的に政権交代を成し遂げたインドネシアのメガワティ大統領については、厳しい見方が多い。 また、七月の大きな外交行事としてはジェノバ・サミットの開催があったが、このサミットを特徴づけたのは、反グローバリゼーションの抗議行動で死者が出たことと、アメリカのブッシュ外交の「孤立」であった。国際的「小泉人気」の定着 海外の小泉人気は、依然として継続しているといってよいだろう。『エコノミスト』誌社説は、「日本の大いなる希望」というタイトルの論説において、小泉政権下での選挙結果を「驚異的」であると評した(“Japan's great hope”『エコノミスト』、八月四日号)。『ワシントン・ポスト』紙社説も「小泉首相は、瀕死の自民党を参議院選挙で勝利に導くという政治的リーダーシップの妙技を示した」(“Mandate for Change”『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン(IHT)』、八月一日)と論評。「くだけた態度、充満するエネルギー、野心にみちた目標、これらでもって、小泉純一郎首相は、これまでの、うすぼんやりした戦後日本の指導者たちとの違いを際立たせた」、このように評したのは『ニューヨーク・タイムズ』紙社説であった(“A New Political Star”IHT、八月一日)。

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