今こそ知りたい狂牛病Q&A

執筆者:2001年10月号

牛肉を食べると、どのくらいのリスクがあるのか? そもそも原因は何なのか? 予防策はないのか? パニックに陥ることなく、根拠なき楽観論に逃げることもなく、冷静に対処するための基礎知識。 そもそものきっかけは、促成飼育のために、草食動物に動物性の飼料を与えたこと――。狂牛病騒動は「文明に対する自然の復讐」などという高度なものではなく、あえて言うならば人災。敵は自然ではなく人間であり、その効率至上主義と、ご都合主義なのである。リスクの高い「特定部位」とはQ いま日本で牛肉を食べることは、どれくらい危険なのか?A 畜産・酪農を管轄する農林水産省、食肉・酪農品が管轄の厚生労働省とも、特定の部位を除いた牛の筋肉や内臓などについては「安全」と断言している。内外の疫学専門家の意見も、大勢はこれと変わらない。これは、牛肉パニック発祥の地である英国と比較した場合、感染源と言われる汚染された肉骨粉が牛に投与された期間や量が大幅に少ないこと、牛肉消費量も相対的にはまだ小さいことなどによる。Q 日本の当局や関連業界の対応は、安心できるものか?A 英国の科学専門誌『ネイチャー』(九月二十七日号)は指摘している。「これまで国民の健康が危機にさらされた際に日本政府がとってきた対応をみるかぎり、今回も適切な予防措置がとられるとはとても信じられない」。

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