自衛隊の“守護神”とみられてきた山崎拓自民党幹事長(元防衛庁長官)が自衛隊からの信頼を急速に失いつつある。アフガニスタンで戦う米軍を支援するための自衛隊派遣をめぐり、「自衛隊をオモチャにしている」との批判が高まっているからだ。 まず、海上自衛隊が派遣を検討し、小泉首相も活用に前向きだったイージス護衛艦のインド洋派遣について、野中広務・元幹事長が派遣反対を唱えると一緒になって消極論を展開。さらに「性能の高さに着目した反対意見もあるので、性能に一定の制限を加えることも一案だ」と述べ、海自幹部らを唖然とさせた。 次に、与党調査団としてパキスタン訪問を終えると、「難民病院での自衛隊の医療支援を検討したい」と医官の派遣をぶち上げた。陸自幹部は「ゲリラの温床である難民キャンプに自衛隊を派遣すると攻撃対象になるとして派遣見送りを決めたはず」と困惑顔。何のことはない、冬柴鐵三公明党幹事長が「医療部隊の応援はどうだろう」と語っており、与党三党の枠組みしか念頭にない発言だったとの見方が広がっている。 そもそも医療部隊の派遣は実現するのか。防衛庁幹部は「一二〇パーセントない」と断言する。

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