ブッシュ米大統領はアフガニスタン攻撃に次ぐテロ対策の第二段階として、イラク攻撃計画を策定するよう国防総省などに指示、内外に波紋を呼んでいる。中心になっているのは、フランクス米中東軍司令官。米軍がイラクの主要軍事施設を空爆、イラク反体制組織やクルド族、イスラム教シーア派勢力が米軍の協力を得て、南部と北部で武装蜂起する構想が有力とされる。フセイン政権打倒のため、米地上軍を投入する選択肢も検討されている模様だ。 この構想を推進しているのはタカ派のウルフォウィッツ国防副長官とウルジー元CIA長官で、ウルジー氏が各地のイラク亡命者グループと連携を取っている。同時多発テロについてイラクの関与を示す明確な証拠はないため、国連の大量破壊兵器査察拒否を口実にするとみられる。 しかし、ブレア英首相とシラク仏大統領は反対しており、穏健派のパウエル国務長官と協調態勢を強めている。今回はチェイニー副大統領もパウエル氏に同調しているようだ。 イラク攻撃は早ければ数カ月後との説もあるが、仮に攻撃があれば、ロシア、中国、大半のイスラム諸国が反発し、反テロ連合を離脱する可能性もある。その際、最も困難な立場に立たされるのが日本だろう。

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