内閣改造の代わりに行なわれた小泉内閣の副大臣・政務官入れ替えでは、送り込まれた役所側が快哉を叫ぶ顔ぶれが揃ってしまった。 その筆頭は総務省の副大臣となった佐田玄一郎代議士(四九)だろう。旧郵政省の総括政務次官も務めた郵政族で、郵政民営化に反対する橋本派のなかでも、かねてから「野中広務元自民党幹事長(七六)の言いなり」と評される“逸材”。今回の人事で、首相官邸に呼び込まれた際も福田康夫官房長官(六五)から「抵抗」しないよう言質を取られたが、町村信孝党幹事長代理(五七)によれば、相変わらず「言いたい放題で(官房長官が)イラだっていた」。 親分の野中氏は「人事で何もしていない」と素知らぬ風を装っていたが、裏では山崎拓党幹事長(六四)に電話で詰め寄るなど、いつもどおりの暗躍ぶり。橋本派からもう一人、内閣府に新設(!)の行革担当副大臣に熊代昭彦(六一)代議士を押し込んでいる。 道路公団改革で注目される国土交通省の副大臣には大臣と同じ保守党から月原茂晧参院議員(六六)が就任したが、その下の政務官に滑り込んだ菅義偉代議士(五三)は、「道路族の顔」古賀誠前自民党幹事長(六一)の子飼いと言われる人物だ。これ以外の副大臣ポストも、自民(参院江藤・亀井派、森派)=二、公明=三と割り振られ、結局は党・派閥単位、旧態依然の順送り人事に終わった。

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