読売新聞社傘下のジャイアンツが独立の株式会社となった。「株式会社巨人」の陣頭指揮を執るのは、新聞本社の専務から「社長」に就任した堀川吉則氏。「ミニ・ナベツネ」と評される人物で、唯我独尊の体質を変革し、セ・リーグやプロ野球全体をプラス方向に改革しようという意識は薄い。 今回、「東京読売巨人軍」の名称は「読売巨人軍」へと変わり、ビジター用のユニホームの胸からも「TOKYO」が消えて、「YOMIURI」に。サッカーやバレー、ラグビーなどで企業色が薄まり地域密着化が進む流れに逆行すると、巨人ファンさえ東京ドームに抗議の横断幕を掲げた。 一方、今シーズンからTBSが親会社となった横浜は、セ・リーグ最下位を独走中。TBSも黙ってはおられず、局首脳の本音も「今の横浜は暗く、TBSのイメージに合わない」。観客動員もいまひとつだが、地域密着で生き延びてきたのも事実なだけに、「TBS」「東京」を前面にも押し出せない。買収に費やした百四十億円の投資効果は、現状では極めて低い。「東京」は消え、「横浜」は沈む。日本のプロ野球の斜陽産業化はさらに明確になってきた。

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