[パリ発]スペイン北部バスク地方の独立をめざす急進派政党「バタスナ」の合法性を問う審理が九月三日からスペイン最高裁で始まった。同党が武装組織「バスク祖国と自由」(ETA)と事実上一体であり、テロ組織との連携を禁じた政党法に違反する、と見なした政府の申請を受けての対応だ。政府の主張が受け入れられる可能性が高く、早ければ年内にも、バタスナは非合法化される見込み。 政府は一気にETA関連の組織を壊滅させたい意向だが、非合法化によって「紛争がむしろ泥沼化するのでは」との懸念も出てきている。非合法化が実現した場合、バタスナが来春の統一地方選をボイコットするとの観測も広がっている。バタスナは欧州議会で一議席、バスク自治州議会で七議席を持つほか、バスク地方の市町村議会で多くの議員を抱え、議員の互選で選ぶ首長を出している町さえある。地域に密着した彼らは、時に反ETAの動きを監視する役目も果たしてきた。アスナール政権与党の重鎮でバスク出身のオレハ元内相は、エル・パイス紙のインタビューで「選挙実施に全力を尽くすが、今後一年間はバスクで何が起こるか誰も予想ができない」と語り、選挙妨害やテロ激化の可能性も示唆した。

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