イランの最高指導者ハメネイ師に近い日刊紙『エンテハーブ』が年明けの一月二日、意外なニュースを報じた。フィッシャー・ドイツ外相がハラジ・イラン外相との電話会談で、ブッシュ米政権はプーチン・ロシア大統領の助けを得てフセイン・イラク大統領を無血で打倒するクーデターを模索している、と明かしたというのだ。 ドイツ外務省は両外相が電話で会談したことは認めたが、その内容の確認は拒否した。実はブッシュ政権は、イラクでフセイン打倒クーデターが起きることを半ば期待してはいるのだが、米国務省のバウチャー報道官は「具体的な提案を積極的に推進していることは関知していない」と述べるにとどまった。だが、米独両政府とも報道内容を全面否定しなかった。 エフゲニー・プリマコフ元ロシア首相も最近、無視できない発言をしている。プーチン大統領が近くバグダッドを訪問し、フセイン大統領に対して辞任を求め、ロシアに亡命するよう働き掛ける可能性があるというのだ。 世界は、米軍のイラク攻撃に向けて動いている。だが、イラク攻撃を止めようとする、無視できない動きもあることを忘れてはならない。ロシアやドイツに加え、中東諸国やフランスの動向も見逃せない。冒頭の話は、一部の秘密工作が露見したと言えなくはない。

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