ミャンマー軍政の最高決定機関・国家平和発展評議会(SPDC)で、タン・シュエ議長(七〇)に次いで序列二位のマウン・エイ副議長(六五)の重病説が流れている。肝臓がんの疑いがあり重度の前立腺炎を併発するなど症状は深刻とされ、短命説も出始めている。 無類の酒好きは軍内でも有名で、朝酒に始まり寝酒で終わる長年の習慣が病気の引き金になったようだ。国立シンガポール総合病院に三月初め入院、同中旬に帰国したが、以来、首都ヤンゴン市内の病院に入院したまま公式の席には一切姿を見せず、軍政当局も病気や入院の事実を伏せている。 野戦部門出身で、軍士官学校での成績は芳しくなかったが、一九九三年に陸軍司令官に上り詰めた。「英語嫌い」とも言われ、ヤンゴン駐在外交団の中でも、その肉声を間近で聞いた者はごくわずか。二期下で、早くから将来を嘱望されてきた情報部門出身の序列三位、キン・ニュン第一書記(六三)との確執のうわさも絶えない。 タン・シュエ議長も、持病の糖尿病の治療薬が詰まったカバンを部下に常時携行させており、軍政指導部の健康問題がミャンマーの将来を左右する可能性もある。

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