北朝鮮核情報も操作? 疑惑の人物の名前

執筆者:春名幹男2004年1月号

 米メディアの報道は、写真まで含めて、疑ってかからないと間違ってしまう時代になった。 十一月二十七日の感謝祭休日、バグダッド国際空港内の米軍基地を極秘で電撃訪問したブッシュ大統領。大統領が七面鳥の大皿を両手で抱えるシーンをテレビや新聞で見て、誰もが大統領が直接七面鳥を兵士に切り分けたと思うだろう。 感謝祭の七面鳥は、家族一緒に味わうものだ。危険な戦地の夫や息子、娘を突然、大統領が慰問し、七面鳥をふるまい、大統領の人気を回復させる作戦だ。 だが実は、大皿はお飾りだけ。基地の食堂で七面鳥が準備されているのかどうか分からなかったので、業者に準備させ、大統領専用機で運び込んだという。実際は、兵士たちはいつものビュッフェから食事を受け取った。「ライス補佐官とのカップルを装ってテキサスを脱出した」「飛行中BA(英国航空)の旅客機と遭遇した」という逸話も実は作り話だったようだ。大統領に批判的なニューヨーク・タイムズ紙やCNNテレビに同行取材のお呼びがかからなかった理由がわかる。 世論操作は、国民の人気取りだけが目的ではない。日本の安全保障にもかかわる、北朝鮮の核兵器開発をめぐっても、ブッシュ政権内のタカ派は、危うい情報をリークしていたようだ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。